人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
新幹線に乗るとよく車内販売で買うものがある。
それはスジャータのバニラアイスだ(余談だがスジャータとは、苦行中のお釈迦様に乳粥を施した村娘の名前)。ま、そんなことはいい。そのアイスは初めカッチンコッチンで、同時に渡される小さなプラスティックの匙ではとても歯が立たない。無理をすると折れてしまうこともあるので、ここはしばらく手の中でカップを温め、少し柔らかくなってから食すのが賢明。
この教えは、何事に於いても楽しみは焦ってやるとロクなことがないというもの。
そして、御褒美というものはある目的を果すため努力した者だけに与えられるものだ。
さて、本題は僕が昔、住んでたアパートのこと。部屋の鍵が壊れ、修理するのも面倒だからそのままにしてたんだ。
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source : 週刊文春 2022年8月18日・25日号