「10歳の時に童謡歌手としてデビューしてから、80になった今でもファンの方の前で唄う機会を頂いている。こんなにありがたい事はありません」
と、笑顔で語るのは、声楽家の安田祥子。
妹の由紀さおりと二人三脚で「日本の心」を唄い続けてきた。最も多忙だった時期は、年間に157ステージも行った。ハードスケジュールを乗り越えられた理由は、厳しい体調管理にあったという。
「母からはナンバーワンでなくオンリーワンになるようにと教育されてきました。そこで自分の代わりはいないという意識が生まれた。声楽家にとって、身体は『楽器』。完璧に身体をメンテナンスする事がステージに立つために最も重要なんです」
体重や血圧の測定は1日も欠かさない。「身体に良い」と聞けば、得意ではなかった納豆やトロロなど「ねばねば食材」も食べる。
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source : 週刊文春 2022年8月18日・25日号