何のために取材するのか？｜池上彰

　ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で国際社会から忘れられがちなのが、ミャンマー情勢です。去年2月、軍がクーデターを起こし、事実上の国家元首の立場にあったアウンサンスーチー氏など政府の関係者を拘束し、全土に非常事態宣言を出しました。

　これに反発する市民による反政府行動が続きましたが、軍はこれを容赦なく弾圧。多数の死者が出ています。

　人権団体「政治犯支援協会」によると、今年7月29日までに2138人が軍の弾圧で死亡し、1万2000人近くが拘束中で、死刑判決が言い渡された人は119人に上っているということです。7月25日にはスーチー氏の側近など民主活動家4人の死刑執行が明らかになっています（毎日新聞電子版8月1日より）。

　クーデター直後は、ミャンマー情勢が連日報道され、世界各国は軍を批判。多くの国が経済制裁に踏み切りました。

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source : 週刊文春 2022年9月8日号

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