東京五輪・パラリンピックの大会スポンサー契約を巡り、出版大手「KADOKAWA」の元専務らが贈賄の疑いで逮捕された問題。組織委員会の会長だった森喜朗氏(85)が、KADOKAWAの競合相手だった講談社について「絶対認めない」などと発言していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。取材に応じた音声データが残っていた。
2019年4月にオフィシャルサポーター契約を組織委側と結ぶ
東京地検特捜部は9月6日、KADOKAWA元専務の芳原世幸容疑者(64)と担当室長だった馬庭教二容疑者(63)を贈賄の疑いで逮捕。また、組織委員会元理事で「コモンズ」代表の高橋治之容疑者(78)を受託収賄容疑で再逮捕し、高橋容疑者の知人で「コモンズ2」代表の深見和政容疑者(73)も共犯として逮捕した。
「高橋容疑者は、電通時代の後輩でもある深見容疑者を通じ、大会スポンサーを目指すKADOKAWAの意向を把握します。そこで、マーケティング専任代理店の電通に、新たな出版部門のスポンサー枠を提案しました。出版大手2社が候補に上がりましたが、1社が辞退。最終的にKADOKAWAが2019年4月、オフィシャルサポーター契約を組織委側と結びました。同社はその直後、『コモンズ2』と契約し、コンサル料7600万円を支払った。この送金が高橋容疑者への賄賂と認定されました。高橋容疑者は容疑を否認しています」(社会部デスク)
辞退した出版大手は、講談社だった。
「1964年の東京五輪では野間省伸社長の祖父・省一氏(当時の社長)が業界団体のトップとしてポスター集作成や組織委などへの寄付も行っていたこともあり、今回の東京五輪でも早くからスポンサー契約を検討していました」(講談社関係者)
「講談社を認めるなら辞める」発言に一同驚き
なぜ、講談社は辞退することになったのか。
当時、組織委員会会長だった森氏が取材に応じたのは、2020年初春のこと。森氏は「講談社だけは絶対、私は相容れないんですよ」とし、講談社への不満をひとしきり述べたうえで、以下のように語っていた(音声は「週刊文春」 電子版↑で公開)。
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source : 週刊文春 2022年9月15日号