「羽生さん(善治・51)と戦った時『恐れに近い感情』を抱いた事を憶えています。今回はそれ以上かも知れません。しかし、どんなスター棋士でもキャリアの中で挫折がある。自分がその相手になれれば」
10月7日から始まる竜王戦で藤井聡太五冠(20)に挑む広瀬章人八段(35)。トップ棋士だが、冒頭のように「藤井に挑む不安」を率直に明かすほどだ。そんな無敵状態の藤井五冠を阻む存在は生まれるのか。
日本将棋連盟常務理事の森下卓九段(56)が藤井五冠の特異性を語る。
「絶対王者は約20〜30年周期で生まれています。木村義雄十四世名人、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生さん。今、藤井五冠がその座に座ろうとしています」
元叡王の高見泰地七段(29)は昨年行われたABEMAトーナメントで藤井とチームを組み、その強さを知る。
「読みの『量と速さ』が桁違いです。簡単に勝てる相手ではない。差を感じながらも、追いかけていくという気持ちです」
戦った誰もが凄みを感じる藤井五冠。その圧倒的な壁を打ち破るのは、これまでタイトル戦で戦ったことのない「未知の若手」の中にいるのではと言われる。
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source : 週刊文春 2022年9月22日号