週刊文春 電子版

寝ても覚めても|土屋賢二

ツチヤの口車 第1260回

土屋 賢二

連載

ライフ ライフスタイル

 この歳になって、「寝ても覚めても」状態がこんなに続くとは思わなかった。もう5日になる。

 5日前、所用で出かけた帰りだった。くたくたに疲れている上に、いまにも雨が降りそうな空模様だ。両手に荷物、肩にカバンをかけ、駅から早足で帰ったら、途中、転ぶに違いない。高齢者に転倒は致命的だ。

 タクシーに乗ることにした。何台かタクシーが並んでいるが、客はいない。急いで先頭のタクシーに乗ろうとして頭を下げた瞬間、天地がひっくり返った。

 初めてだ。これまで数えきれないほど転んできたが、転ぶ原因はいつも、つまずいたことだった。今回は違う。つまずきもしないのにその場で転倒したのだ。

初月100円でこの続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 音声・動画番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 週刊文春 2022年9月29日号

文春リークス
閉じる