神が側近の聖ツチヤに言った(すべて敬称略)。聖ツチヤは新参だが、持ち前の社交性で神に取り入り、側近格にまでなっている。
「困ったもんだ。人間は予知するために科学を発達させ、次の日食がいつ来るかも、青酸カリを飲めば死ぬことも知っている。それなのにもっと予知したいと思っている。なぜだ?」
「1カ月定期にするか3カ月定期にするか決めるとき、3カ月間生きているかどうかを知りたいんです」
「ケチくさい! 一方では、高齢になるとこの先ロクなことがないから、先のことは知りたくないと言う。ミステリも予測不可能であってほしいと願う。アホちゃうんか。アダムは知恵の実を食べたはずやろ。知恵がついとらんやないか」
「神様から見ればみんなアホです」
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source : 週刊文春 2022年10月20日号