今年6月、アメリカの最高裁が、「人工中絶は女性の権利として憲法に守られる」という1973年の最高裁判決を覆した。これで中絶の是非が各州に委ねられたので、テキサスなど南部や中西部の州で中絶が禁止になった。たとえそれがレイプによる妊娠でもだ。
最高裁の9人の判事のうち6人が中絶の権利を守らないと決めた。その6人の最年長のクラレンス・トーマス判事は「次は同性婚、避妊、同性愛の権利を標的にする」と宣言した。
この6人の判事を任命したのは共和党の大統領。そして6人ともカトリックである。
だが、カトリックはアメリカの全人口の22%しかいない。それが最高裁判事の7割を占めるなんて。
この異常な事態は、実はレナード・レオという1人の男の仕業だった。彼こそ、カトリックによる最高裁乗っ取りの黒幕なのだ。
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source : 週刊文春 2022年9月29日号