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さらば!アントニオ猪木《政治》

「週刊文春」編集部
ニュース 政治

「国会に卍固め、消費税に延髄斬り」

 こんなキャッチフレーズで猪木が参院選に出馬したのは89年。スポーツ平和党を立ち上げ99万票を獲得、当選を果たした。

 実は猪木が政界に興味を持ち始めたのは、レスラーとして脂の乗りきった1980年代初頭と、随分早かった。福田赳夫元首相の弟・宏一氏が猪木の後援会長をしていた縁もあり、猪木は選挙応援でたびたび福田氏の地元に足を運んでいた。当時を知る友人が回想する。

「猪木さんはいつも福田(赳夫)先生の隣に立って挨拶をするんだけど、自分よりも福田先生のスピーチの方が圧倒的に拍手が多いわけです。その熱気はプロレスで感じるのとはまったくの別物。それに感化されたのか、猪木さんは『俺が選挙に出たら受かるかな?』と何度も聞いてきました」

 猪木が史上初のレスラー出身国会議員として赤絨毯を踏んだのは46歳の夏。そして翌年、早速“結果”を残す。

「イラクのクウェート侵攻に伴い邦人41人がイラク国内で人質となった。猪木は人質を救出するためフセイン大統領の息子と面会。その後、6500万円でトルコ航空機をチャーターし、人質の被害者家族と共にイラクを訪れプロレス興行を開催したのです」(政治部デスク)

 このイベント後、人質が無事解放されたことで猪木の株は一気に上がった。

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source : 週刊文春 2022年10月13日号

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