世の中には自分とそっくりな顔の人が3人はいるという。でも、まったくの“生き写し”の自分が現れたら、そのときはご用心。それはドッペルゲンガー(自己像幻視)と言って、“死の前兆”なのだそうだ――。

 今回は、そんな室町時代のドッペルゲンガーのお話。ご登場いただくのは、前回の足利義教(よしのり)の子で、室町幕府八代将軍の足利義政(よしまさ)である。

 足利義政といえば、政治に嫌気が差して弟義視(よしみ)に将軍職を譲る約束をしておきながら、実子義尚(よしひさ)が生まれたら、その約束を反故にしようとして、応仁の乱の原因を作ったとされる人物である。また、正室日野富子の尻に敷かれ、最後は夫婦ゲンカのすえに政務を放り出して、隠遁(いんとん)した“恐妻家”としても知られている。

 なお、そのとき隠遁先として京都東山に建てられたのが、後の銀閣寺で、義政はそこの建築、書画、庭園などを趣味空間として演出し、東山文化を花開かせた。そのため彼については、政治家としてはともかく、新興芸術の支援者としての文化面の功績を高く評価する意見もある。

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source : 週刊文春 2022年10月20日号