アメリカ中間選挙の取材で、激戦地ジョージア州に行った。ジョージアといえば『風と共に去りぬ』の舞台で、白人たちは黒人を酷使した綿花農場で莫大な財を成した。現在のジョージア州知事ブライアン・ケンプの祖先もそうだった。

 ジョージアは南北戦争で焼き尽くされ奴隷は解放されたが、KKKが黒人に暴威をふるい続けた。1976年の大統領選では、ジョージアのピーナッツ農場の経営者ジミー・カーターが民主党から当選したものの、その後は共和党がほぼ勝利するゴリゴリの保守王国だった。

 ところが、2018年の州知事選で、民主党の黒人女性候補ステイシー・エイブラムズがケンプに6万票差まで迫った。続く2020年の大統領選では僅差で民主党のバイデンが勝った。ジョージアは変わった?

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source : 週刊文春 2022年12月1日号