ちょうどひと月くらい前のことだ。
シリコンバレーにあるテスラのオフィスで、久々にイーロン・マスクと再会した。前回面会したのは新型コロナウィルスの流行前だったと思うから、かれこれ3年ぶりということになるだろうか。
息子と一緒に現れた彼は、以前より少し痩せたように見えたけれど、いつも通りの様子で「ハーイ、ミッキー」と声をかけてくる。僕は日本からお土産に持っていった焼酎を手渡して、お互いの近況やビジネスについて1時間ほど話し合った。
今回、彼のもとを僕が訪れたのは、スペースXのロケットを使って打ち上げた衛星の話をするためでもあった。以前もこの連載で触れた通り、楽天モバイルではいま、アメリカのAST SpaceMobile社と協業し、衛星通信ネットワークによるインフラ構築を目指している。このプロジェクトが成功すれば、世界で初めて携帯電話と直接通信できる衛星を使ったブロードバンドが実現され、山岳地帯や離島など地球上のどこにいても通信が可能になる、そんな「未来」が実現する。
そして、今年9月に初めて打ち上げた衛星のアンテナが、このほどついに地球の低軌道上で開いた。まだ検証段階ではあるが、今後は168基の衛星を順次、打ち上げていく計画がある。
イーロンとはその話題でしばらく盛り上がった。彼も衛星を利用したインターネットアクセスサービス「スターリンク」の事業を進めているので、とても有意義な議論だったと感じている。
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source : 週刊文春 2022年12月8日号