歳をとっても退屈することはない。毎日のように発見があり、衝撃がある。
のんびりと寝転んで本を読むだけでも衝撃を受けるに十分だ。先日もそうだった。本をもっている腕と手が目に入ったとき、一瞬「だれの腕だ?」という疑いに襲われた。細かいシワが一面に広がり、イワシを1週間ほど天日干ししたように、完全に干からびている。こんなものがわたしの腕であるはずがないと思ったが、もしわたしの腕ではないとすると、本をもっているのはだれなのか、そしてわたしの腕はどこへ行ったのかという難問が出てくる。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2022年12月29日号