新疆ウイグル自治区でのウイグル族迫害や香港での民主派弾圧、南シナ海で領海拡大を狙うなど強硬路線を爆走する中国。一方、米国は対中包囲網の構築を進め、日米共同声明で半世紀ぶりに台湾に言及した。新冷戦が激化する今、日本は中国にいかに対峙するべきか。
(のじまつよし 1968年生まれ。92年朝日新聞社に入社。シンガポール支局長、台北支局長などを経て、2016年に独立。近著に『香港とは何か』『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』など。大東文化大学特任教授。)
世界が動いた1週間だった。
菅義偉首相が米国を訪問し、4月17日、バイデン米大統領と会談した。本来なら「バイデン初の外国首脳との会談」という「成果」で菅首相には十分だったかもしれない。
だが、米国は甘くなかった。中国から統一圧力にさらされる台湾について、日米首脳会談の共同声明でおよそ半世紀ぶりに言及したのだ。菅訪米のニュースバリューは急上昇したが、日本はかえって重い課題を米国に背負わされた。
なぜなら、今後日本は、米国が主導するグローバルな対中包囲網の一翼を担うことになるからだ。
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source : 週刊文春 2021年5月6日・13日号