過去、幾度も報じられてきた、介護施設での虐待事件。だが、何年たってもそうした事案はなくならない。一体なぜなのか? 調査体制は機能していないのか? 現場の声に耳を傾けると、その背景が見えてきた――。
2022年夏に連載した「介護の謎」では、パーキンソン病を患っている母親(75)が一昨年6月、実家の階段から転落し、入院することになったのを機に、突然、私に「親の介護」という問題が襲ってきたことを記した。当時、母親が「要介護4」に認定されたと聞いても、それが具体的に何を意味するのかさえわからなかった。
包括(地域包括支援センター)とは何か、ケアマネ(ケアマネジャー)は何をしてくれるのか。介護保険では何ができ、介護施設にはどんな種類があるのか。私の前には、あらゆる疑問が立ちはだかった。そうした疑問や謎を紐解きながら、体験談を「介護の謎」で紹介した。
「謎」を取材する過程で多くの介護職の方から話を聞くと、私の前に浮かび上がってきたのが、「闇」だった。介護される親や、その家族とは立場が違う「介護する側」の現実を見ていくと、日本の介護を取り巻く問題点がよりはっきりと見えてきた。
本誌新年特大号から始まった「介護の闇」では、介護職に就く人々から見た介護業界の実態について記していこうと思う。
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「私なら絶対、こんな施設に入らない」
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source : 週刊文春 2023年1月26日号