「かつては客に“転売ヤー”なんて、ほとんどいませんでした。それが大きく変わったのは、KDDIがauショップの評価制度を変更してからでした」

 

 苦々しい表情でこう語るのは、「auショップ」店長のA氏である。

 携帯電話業界における転売ヤーの存在は社会問題になっている。「週刊文春」はこの問題について報道を続けてきた。例えば国内携帯キャリア1位のNTTドコモは、販売店・ドコモショップ(DS)が“店舗ぐるみ”で転売ヤーを動員していた。その背景には、ドコモ本部が現場に課している「普通にやっていては達成できない」(DS関係者)ような“地獄のノルマ”があることも分かった。

NTTドコモの販売代理店・ドコモショップ(DS)は“店舗ぐるみ”で転売ヤーを動員していた

 特に高く設定されている目標値がMNP(携帯電話番号ポータビリティ)による他社からのポートイン(乗り入れ)だ。

 スマートフォン市場が大きな転換点を迎えたのは2015年頃のことである。

「この年、世界のスマホの出荷台数の伸びが大きく鈍化。日本でも、キャリアが新規購入から“買い替え需要”に頼る構図が出来上がっていきました」(総務省担当記者)

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source : 週刊文春