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「ねぇ、神様っているのかな」
『ハピネス』(嶽本野ばら 小学館 電子書籍)という小説で、1週間というあまりにも短い余命を告げられた17歳の女の子が、恋人にそっと訊ねた言葉だった。
彼女は残された時間を、安静にして1秒でも人生を引き延ばそうとするより、多少のリスクを冒しても毎日楽しく過ごす方を選んだ。大好きなロリータファッションに身を包む。大好物のカレーを食べる。そして恋人と、いつも通りの時間を過ごす。日常の小さな幸せを少し拡大したような、尊い時間。
私は最近、神様はいるのかという疑問に直面した。直接この目で見たことがないけれど、どこかで「大きな意思」なるものがあるのでは、と思っていた。
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source : 週刊文春 2023年2月23日号