×月×日

『チ。―地球の運動について―』(作・画:魚豊 小学館 全8巻 各650円+税)の舞台は15世紀のヨーロッパ。これまで一千数百年もの間、地球が中心で全ての天体はその周りを複雑に回っているとする「天動説」が真理だとされてきた。

『チ。』第1集

 それに対し、地球が自らの軸を回る“自転”と、地球が太陽を軸として回る“公転”をしているとする「地動説」を研究する者たちが現れる。今となっては常識であるこの地動説は異端思想とされ、拷問や生きたまま火に焼かれるなどおぞましい弾圧を受けていた。けれど命を懸けてでも、地動説という真理を追究し、天動説という既存の秩序を覆す、名もなき人々が繋いだ歴史が描かれている。

 当時、この世は醜く貪欲で汚れていて、天国だけが清く美しいと信じられていた。天動説を信じる人物はこう語っている。地球が宇宙の中心で、中心とはすなわち一番“底辺”ということ。見上げる夜空がいつも綺麗なのは、この穢れた大地から見上げているからであり、天の世界は、下等な地球如きとは調和しない。希望は天国にしかない、と。

 でも、もしも地球が“動いている”なら。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

週刊文春電子版に超おトクな3年プラン59,400円が登場!月額プラン36ヵ月分と比べて19,800円、年額プラン3年分と比べて6,600円おトク!期間限定12月2日(月)まで!

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

  • 3年プラン

    59,400円一括払い、3年更新

    1,650円/月

    オススメ!期間限定

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 1

source : 週刊文春 2023年7月13日号