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『##NAME##』(児玉雨子 河出書房新社 1600円+税)を読んで思い出したのは、私が救済される前の、私が私であるということの、古い表皮が剥がれる前のことだった。
大事な友達がいたこと。物語に逃げることでしか、生きる手段を持たなかった時のこと。一番近くて一番大切だったはずの存在が、安らげる場所ではなくなってしまった時のこと。
「どうして被害者だったくせに黙っているの。黙認しているならあなたも闇の一部なんだよ。ちゃんとさ、怒りなよ」
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source : 週刊文春 2023年10月19日号