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『「適応障害」って、どんな病気？　正しい理解と治療法』（浅井逸郎監修　大和出版　1400円＋税）を読んだ。本書によれば、適応障害とは“弱さ”ではなく、“環境・思考・特性・社会の変化”が絡み合って生じるのだと見えてくる。10年以上この概念と付き合ってきたが、自分をより深く知る機会となった。

　まず印象的だったのは、うつ病との違いに関する説明だ。適応障害は“ストレス因子がはっきりしている”ことが特徴で、原因が曖昧なことも多いうつ病とは発症のメカニズムが異なるという。言い換えれば、適応障害は“環境とのミスマッチ”という色が強い。自分の心の弱さではなく、「合わない状況に長くさらされた」という問題だ。