ブン屋という言葉が聞かれなくなった。事件や政局を猟犬のように追うイメージが消えたからか。スクープ合戦という言葉もほぼ死語である。

 日銀の新総裁人事も、特ダネと特オチがともにない「同着」で終わった。10日、人事を国会に示す日程が自民、立憲民主両党の国対委員長会談で決まった後、しかも夕刊の締め切りと株式市場終了の直後に植田和男氏起用の速報が流れた。旧知の政治記者によれば「典型的なリークとしか思えない」らしい。

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source : 週刊文春 2023年3月2日号