フェミニズムの旗手にして、おひとりさまの生き方についてベストセラーを著してきた上野。2年前、彼女は、ある男性を介護の末、看取る。「結婚という制度がイヤ」と公言してきた上野は、彼と密かに入籍していた。
東京都心から西に約170キロ。八ヶ岳高原ラインを抜けると、あたりの風景は一変する。大滝湧水が溢れ、眼前には南アルプスの山々が迫る。高原野菜農園やニジマスの養殖場が八ヶ岳南麓の日常風景だ。
集落の一角にエメラルドグリーンの山荘が建てられたのは、今から25年前の夏のこと。針葉樹林に囲まれた山道「唐沢木漏れ日通り」には、間もなく好一対の男女の姿が頻繁に目撃されるようになった。20余り歳上の男性に寄り添っていた女性は、フェミニズムの旗手で社会学者の上野千鶴子氏(74)だ。
「当時から彼女は月に2〜3回、勤務していた東大のある文京区本郷から八ヶ岳に通っていました。愛車のBMWで深夜に出発し、中央道を爆走。『原稿執筆に没頭するため』とのことでしたが、実は恋い焦がれた男性に会いに行っていたのです」(東大関係者)
2007年、『おひとりさまの老後』(法研)が約80万部のベストセラーに。“おひとりさま”シリーズは、実に累計128万部を記録し、その後も「おひとりさま」を冠した本を多数上梓。独身を貫く上野氏は“おひとりさまの教祖”として女性たちから絶大な人気を誇ってきた。
だが実は、そんな上野氏には秘された履歴がある。八ヶ岳の山荘の所有者として共に刻まれた男性の名。2人の関係を知る友人が打ち明ける。
「彼は2年前に亡くなっています。故人の遺志で葬儀は行われなかったそうですが、火葬を取り仕切っていたのは上野さんでした。彼女は本当に憔悴していて、見ていられないほどでした」
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source : 週刊文春 2023年3月2日号