人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
『アナタハン』
この、はんなり京都弁風な言葉、何だと思う?
“それは第二次大戦末期の1944年、アナタハン島に漂着した31人の日本兵が、夫と共に島に住んでいた女性を巡ってすさまじい争いを繰り広げ――”
と、DVDのパッケージ裏の解説にあるように、島の名前。北マリアナ諸島のひとつなんだって。
そこで、この映画の題材となった、いわゆる“アナタハンの女王事件”が起ったってわけ。
公開は1953年だから、僕が生れる5年前。監督は外国人。初めて日本語字幕が付いたことでも有名なトーキー映画『モロッコ』を撮った方なんだって。
ま、そんなことより僕がグッときてるのはこの『アナタハン』の音楽が、伊福部昭さん(パッケージには“井福部”ってあるけどね)で、何と特殊効果(今で言う“特撮”だね)が、円谷英二さんってことなんだ。
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source : 週刊文春 2023年3月30日号