「週刊文春」では、東京医療センターをはじめ、独立行政法人国立病院機構で働く看護師が劣悪な労働環境で働かざるを得ない実態を5週にわたって報道。現場で働く総勢170人以上の看護師たちから寄せられた、悲痛な叫びを読者に伝えた。調査報道キャンペーン「看護師を救え!」を振り返る。

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〈171人の悲鳴〉厚労省“天下り”が国立病院を壊した

 

「今の看護師数では、患者さんの安全は到底守れません。病院としても人を増やしたいのですが、本部の許可が下りない」

 

「声を上げても、本部に潰されてきた。看護の現場が崩壊した一番の元凶は、機構本部の体質です」
 

 こう語るのは、独立行政法人国立病院機構(NHO)の病院幹部たちである。

 

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国立病院「看護崩壊」138人の告発「家族は絶対入院させない」

 

「とにかく看護師の数が足りない。大きな医療事故につながりかねなかった場面がいくつもあり、いつか患者を殺してしまうと思う」

 

「患者さんが生きているかどうか確認するだけのような日々。こんな看護がしたかったわけじゃないと、転職していく同僚も多い」

 

 そう悲鳴を上げるのは、国立病院機構に属する病院の看護師たちだ。

 

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国会でも問題に 国立病院看護師101人が告発 ブラック労働「本当の元凶」

 

 2週にわたって報じた国立病院機構の看護師たちの“ブラック労働”は国会でも問題に。そして、小誌に届く告発の声は止まらず、ついに100人を超えた。“看護崩壊”の危機は、なぜ放置され続けるのか。その元凶に迫る。

 

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妊婦も夜勤、年休・育休NG、大量退職…全国140の国立病院で横行するブラック労働を看護師36人が告白

 

 先週号で東京医療センターの大量退職、労基法違反を報じて以降、同じ国立病院機構で働く看護師から続々と悲痛な声が届いている。コロナ禍で奮闘する看護師たちの過酷な実態を徹底調査し、浮かび上がってきたのは――。

 

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看護師大量退職 国立病院の総本山は労基法違反だらけ

 

「職員が調査したところ、昨年4月から1月までの間に、退職・休職を合わせて看護師が100人も減っていた。病棟は満床、看護師はスカスカ。一言でいうと『地獄』です」(病院幹部)

 

 駒澤大学駅から徒歩15分ほどの閑静な住宅地にある東京医療センターが、非常事態に陥っている。

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source : 週刊文春