三大会ぶりのWBC優勝で歓喜に沸いた日本列島。もちろん、アガワもその一人。そこで、今回はWBC優勝監督の金言を振り返る特別編をお届けします。今読むとなおいっそう深く染み渡る、名将たちの言葉をご堪能あれ。

 侍ジャパンが3度目の世界一を達成してすでに1カ月近くが過ぎようとしているにもかかわらず、日本のWBC熱は未だ醒めやらぬ気配です。ついでに(といってはナンですが)、高校野球もプロ野球のリーグ戦も、さらにメジャーで活躍する日本人選手の活躍にも、かつてないほどの熱い視線が投げかけられ、今や日本は野球王国に立ち返りつつあるかに思われます。

 私自身、こんなに野球が好きだったっけと思うほど、あの選手この選手の動向に注視し、はたまたあのシーンこのシーンを思い出してはウルウルしている日々。

 思い返せば私も、30年に及ぶこの対談連載で、多くの野球選手や監督にお会いして、豚に真珠を重ねてきたのでありました。その中に、WBC優勝を経験なさった監督3人がいらしたことに気づきました。はて、かの監督たちはそれぞれの時期においてどんな心の内を明かしてくださったのか。偉大なる名将たちの金言を今一度繙(ひもと)いて、このたびの侍ジャパンの威力と成果にどう繋がったのかを検証してみるのも一興かと、ひらめいた次第でございます。

 まずは今回の大立役者。WBC第5回大会の監督を務められた栗山英樹氏からご登場願います。

'23年 優勝監督 栗山英樹

 一次ラウンドは全勝通過。その後も快進撃を続け、決勝で米国を破り、3度目の優勝を飾った。平均世帯視聴率(関東地区)は全試合40%超えと、大谷翔平、吉田正尚らの活躍に多くの国民が胸を躍らせた。

 

栗山 10年やっても、ついに「俺が監督だ」という風格は身につきませんでしたね(笑)。ただ、ひとつ核にしてよかったなと思うのは、人間力を高めることを意識したことです。野村克也さんもよくおっしゃってました。中国の故事から『論語と算盤』まで読めば、野球にも経営にも生かせるヒントはたくさん転がってます。

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source : 週刊文春 2023年4月20日号