小学校の授業で、いろいろな地図記号を習った。「⭗」は市役所、「文」は小・中学校、「卍」は寺院、「⛩」は神社などなど。試験に出るので、一生懸命覚えた人も多いだろう。ところが、それらのなかには、現在、もはや使われなくなっているものもあることをご存じだろうか。
たとえば、電報・電話局を表わす「〓」は、電電公社が民営化されNTTになったことで使われなくなった。民間企業をわざわざ地図記号で表わす必要はないという判断だろう。同じく桑畑を表わす「〓」も、現在では使われていない。かつては生糸生産は重要な国内産業だったが、いまやその規模は縮小し、そもそも桑畑自体にお目にかかることも無くなった。そうした社会の変化に応じて、地図記号も淘汰されていくのだ。
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source : 週刊文春 2023年7月6日号