今、この原稿を書いている段階では、乗客の安否はわからない。ただ無事を祈るだけだ。タイタニック号見学ツアーの潜水艇の話である。
行方不明になったことがこれほど騒がれているのは、あの伝説の豪華客船タイタニック号への郷愁もあるだろうし、3500万円払う乗客への興味もあるに違いない。
が、閉所恐怖症の私は、ただドキドキしながらニュースを見ている。4000メートルの深海で密室のようなところに閉じ込められる。あたりは真暗、酸素は切れようとしているのだ。これほど怖ろしいことがあるだろうか。
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source : 週刊文春 2023年7月6日号