「頑張った分だけ、怒られる現象が起きている。こんなところに人(医師)、来ませんよ! 優秀な人は絶対に来ない。こんな事を誰も分からないのは、おかしいんじゃないですか」
一人の外科医が厳しく批判した相手は、東京女子医科大学の岩本絹子理事長。意見すら言わせない強権的な“女帝”に、初めて公然と反論した瞬間だった。
不可解な経営方針によって医療崩壊が始まっている女子医大で、現場の医師たちから新たな動きが起きていた。これは岩本理事長による独裁体制の“終わりの始まり”なのか? 遂に声を上げた医師たちの動きを、前後編で緊急レポートする。(後編#8を読む)
◆◆◆
重要な人材が流出しても、岩本理事長の経営方針は人件費の徹底的な削減
3億9600万円の赤字──。
これは“本院”と呼ばれる、東京女子医科大学病院(新宿区)の今年7月単独の収支だ。4月から6月まで、毎月2億円余の赤字で推移していたが、ここにきて2倍近くも悪化していたのである。
さらに、集中治療科に所属する専門医10人中9人が一斉辞職に追い込まれ、9月から女子医大にICU(集中治療室)の専属チームはなくなった(#5、#6を読む)。
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source : 週刊文春