警視庁捜査2課が、東京女子医科大学の岩本絹子理事長をめぐる「疑惑のカネ」を捜査しているなか、新たに「第4の疑惑」が浮上した。
附属病院の移転で荒川区に土地を売却した際、不動産会社に約1600万円の仲介手数料が支払われたが、その不動産会社は本来の仲介業務をしておらず、女子医大と不動産会社ぐるみの“偽装仲介”の可能性があるのだ。
経営の迷走によって深刻な医療崩壊に直面している女子医大の裏で、密かに行われていた土地取引の「闇」を追った──。
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「第4の疑惑」の舞台は東医療センター「博友寮」の跡地
隅田川のほとりにある荒川区立宮前公園には、巨大な送電塔がそびえ立ち、高原のような庭園にワイルドフラワーが咲き乱れている。「第4の疑惑」の舞台は、この不思議な光景が広がる場所に5年前まで建っていた、女子医大・東医療センターの「博友寮(はくゆうりょう)」である。
東京の医療過疎地と言われる荒川区で唯一の基幹病院が、女子医大の附属病院である東医療センターだった。「博友寮」は、その東医療センターで働く職員のため、1971年に建てられた。鉄筋コンクリート4階建で40室あり、以前は全国から集まった研修医などで満室だったが、老朽化が進むにつれて、大半が空室の状態になっていた。
2018年3月、東医療センターの足立区移転に伴い、「博友寮」は解体後更地にすることが、女子医大の理事会で承認された。申請したのは、副理事長(当時)として経営の実権を握っていた、岩本絹子氏である。
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source : 週刊文春