ススキノのラブホテルで首を切断された男性の遺体が見つかった事件。24日以降、逮捕されたのは、地元で有名な精神科医とその妻、そして“多重人格”を告白する29歳の娘だった。3人はなぜ凶行に走ったのか――。
「家族仲はものすごくよかったんだよ。孫の瑠奈を中心にしてね……」
祖父が言葉を紡ぐ。息子である医師の田村修(59)とその妻の浩子(60)は、1人娘の瑠奈(29)を溺愛していた。
「娘を大切に育ててさ。でも俺から言わせれば、ちょっと過保護なんだよな。でもそう言うと、修から怒られるんだ。『父さんは古臭いんだ』って。こっちがしっぺ返しをくらう。そういう性格なんだよ」
そして、3人家族が直面した深刻な局面。祖父が表現を選びながら続ける。
「(瑠奈にとって)許せないことがあってね。気難しい持病があって、突然、感情が抑えられなくなって。歯止めが利かないんだよな。そうなったら何をやるか分からんというか……。母親の方(浩子)も捕まると思っていた。瑠奈のやってることも修のやってることも、浩子は知ってるんだ。3人家族だから。知ってるってことは、共謀だもんな……」
言わんとするのは、親子による過保護では済まされない復讐劇だった――。
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source : 週刊文春 2023年8月3日号