裏千家“大番頭”の「ワイロ授受」写真 警察も重大関心の集金手口

「週刊文春」編集部
ニュース 社会

 京都御所の北西、堀川通りの東の閑静な一角で、一際目を引く国の重要文化財・兜門。この兜門の奥には裏千家が誇る歴史的な茶室遺構が残されており、それらも全て重要文化財だ。その神聖なる茶室で両手をつき、目前の袱紗を前にニヤニヤと笑顔を浮かべるスーツの男。「賄賂授受」の決定的瞬間である――。

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 茶道諸流派の中でも最大の会員数と知名度を誇る裏千家で今、組織を私物化し、私腹を肥やしている人物の存在が問題視されている。

「事務方のトップ、事務総長のA氏です。A氏は裏千家の法人組織である一般財団法人『今日庵』や一般社団法人『茶道裏千家淡交会』の要職も務めています。実家は道具屋だそうですが、彼自身は政治家秘書などを経て、先代(15代目家元)の時に裏千家で働くようになりました」(裏千家元職員)

今年1月、初釜式で招待客をもてなす16代千宗室家元(左端)

 2002年に襲名した現在の家元・千宗室氏(62)は千利休から数えて16代目。夫人の千容子氏(66)は一昨年に100歳で薨去された三笠宮崇仁親王の次女で、今上天皇の従兄妹にあたる。皇室と血縁関係にあり、歴代首相をはじめ政財界に張り巡らされた華麗なる人脈を誇る日本の代表的伝統文化の継承者。そこに取り入ったのが、A氏だった。

「彼が事務総長に就任したのは5年ほど前ですが、その前後から家元は運営についてA氏に任せきりなんです。A氏が家元の弱みを握っているという話もありますが、真偽は不明。ともかく現在、家元と直接話ができる職員はA氏だけという状態です。A氏は自分の意向をまるで家元の意向であるかのように伝え、家元宛ての手紙を勝手に確認したり、決裁印を勝手に押印したり、専横を極めています。職員を怒鳴りつけるパワハラ体質で、職場を離れた部下も少なくない。いつの間にか“裏の支配者”になっていたのです」(同前)

 裏千家は家元を頂点に、その下で厳しい修業を積んだ40人程の「業躰(ぎょうてい)」と呼ばれる内弟子が首脳部を構成。業躰が家元の名代として全国10万人の会員を指導するという巨大組織だ。

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source : 週刊文春 2018年6月21日号

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