ロサンジェルスから車で2時間ほど東に走った国有林の中にある貯水池レイク・アローヘッドは静かなマウンテン・リゾートだが、そこで8月18日、銃撃戦があった。

 警察との撃ち合いで死亡したのはトラヴィス・イケグチ(27歳)。近くの衣料品店のオーナー、ローラ・アン・カールトンさん(66歳)を射殺した後だった。

 警察の発表によると、まずイケグチはカールトンさんの衣料品店のレインボー・フラッグを引き裂いた。レインボー・フラッグ(虹の旗)は、LGBTの権利を求めるシンボル。カールトンさんは同性愛ではなく男性と結婚した9人の子どもの母だが、LGBT差別に反対して、店の前にレインボー・フラッグを掲げていた。イケグチはSNSにレインボー・フラッグが燃える写真などを投稿しており、カールトンさんに同性愛者に対する差別的な言葉をぶつけて、彼女を拳銃で撃ち殺した。

 現在、アメリカではLGBTに対する憎しみが高まっている。ビールブランドのアメリカ最大手バドワイザーは、以前から6月のLGBTの祭典プライド・パレードに出資し、レインボーカラーのボトルを発売していたが、今年はすさまじいボイコットを受けている。

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source : 週刊文春 2023年9月21日号