「安全装置を取り外しました!」
そんな特撮ドラマやロボットアニメさながらの台詞が『魔改造の夜』で飛び出した。この番組は、身の回りにあるおもちゃや家電製品を改造し、「実益と生産性を一切無視」したバカバカしくてくだらない競技を真剣に行っている。元々はBSプレミアムで不定期に放送されていたが、4月から地上波で月1回最終木曜日にレギュラー化された。
挑戦するのは日本を代表する企業のエンジニアたち。そんな中、初めて高専生として「N岡高専」こと長岡高専が参戦した。総合リーダーを務める5年生はこの日が卒業式だというが「夜会のほうが大事」と参加。コロナで不完全燃焼だったロボコンの雪辱を果たしたいのだという。対戦するのは「H置電機」こと日置電機と、「N社」ことNEC。彼らは7月に放送された「パンダちゃん大玉転がし」に続き、洗濯物を干したままロープをわたる「洗濯物干し25mロープ走」に挑戦した。ついにおもちゃや家電ですらなく、日用品を魔改造することになったのだ。
N岡高専が魔改造した物干し「ジェットコプター」が“御披露目”されると、N社の総合リーダーが「クソ、やられた」と唇を噛んだ。プロペラが動力なのは共通するが、スタートダッシュが課題となる。それにN岡高専はジェット噴射を採用していたのだ。おそらく、N社もそれを検討し、断念したのだろう。
いよいよ1回目の挑戦。しかし、プロペラは回っているが動き出さない。フライング防止のストッパーを解除するモーターが作動しなかったことが原因のようだ。他の2チームも揃って途中で止まってしまい全チームが「記録なし」という事態に。難しさを物語る。
10分間の調整時間が与えられ、2回目の試技となるのがルール。ここでN岡高専の総合リーダーが決断を下し発したのが冒頭の言葉だ。ストッパーを外したのだ。果たして、機体は見事にジェット噴射し、駆け抜けた。抱き合い喜びを爆発させるN岡高専。その光景は青春映画のようだった。
「ほぼほぼテレビで泣いたことなんかないけどね」
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
キャンペーン終了まで
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
オススメ!期間限定
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2023年9月21日号