「木原事件」遂に刑事告訴! 遺族が明かす決断の訳 《新証拠》事件直後の警察との音声データ 

「週刊文春」編集部

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 種雄とX子の子どもを大事に育ててくれた木原さんには感謝しています。ただ彼に一言「再捜査を求める」と言ってほしかった。私たちは真実が知りたい。一生がかかっている問題なんです。

未だ語らない木原氏

 8月下旬のある夕刻、東京都文京区内の閑静な住宅街――。日中35度を超えた猛暑は僅かながら和らぎ、蝉の鳴き声が響いていた。そこに集まる70代の男性と2人の娘、それに孫たちの家族。そのうちの男性が、通り沿いのあるマンションを見上げながら感慨深げに呟く。

「いやぁ、ここに来るの、17年ぶりだ……」

 木原誠二前官房副長官の妻X子さんの元夫で2006年に不審な死を遂げた安田種雄さん(享年28)の父である。

「種雄が亡くなる前、ここに住んでいたX子のお父さんと、お兄さんと食事をしたんですよ」(父)

種雄さん(遺族提供)

 06年4月9日午後10時頃、種雄さんの頭上から喉元に振り下ろされたナイフが肺まで達し、絶命した事件。その現場となった、種雄さんとX子さん、それに2人の子供たちが暮らしていた一軒家は、このマンションから徒歩で7、8分ほどの距離にある。

 部屋で仰向けに倒れた遺体の第一発見者は、事件の翌朝4時前、種雄さんに貸した車を返してもらおうとバイクで現場を訪ねた父だった。

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source : 週刊文春 2023年10月26日号

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