若きタカラジェンヌが高層マンションから身を投げた事件に劇団が揺れている。それでも公演を続けたいトップと「信じられない」と動揺する下級生たち。「清く、正しく、美しく」がモットーの宝塚歌劇団に潜むウラの真実。
▶︎宙組生徒に「調査は1人30分で」木場理事長の傲岸
▶︎宙組トップ芹香斗亜 事件後も「頑張ろう!」ガッツポーズ
▶︎月組組長が内部説明会で「間違った本人が悪いんです」
▶︎OGが実名告発「ジャニーズと同じで、外圧が必要」
10月上旬、宝塚大劇場の5階にある稽古場は冷たい熱気に包まれていた。六十数人の月組生が集まり、視線を交わす。その序盤、口火を切った下級生は時に言葉を詰まらせ、震える声で上級生に訴えかけた。
「同期を代表して話をするんですけど、組長さんが仰ったように、改善していくチャンスだから。そのために今日集まっていると思っていたんですね。今回の件に関しては、同期の子が亡くなってしまったので、私も少し重いとは思うんですけど、あまりにも“温度差”が違うというか……。そのことに私はすごくショックで。もう少し真剣にとらえてないのかなって、正直思っちゃったんですね」
周囲の生徒たちのすすり泣きは、次第に大きくなっていった――。
宝塚歌劇団の宙(そら)組に所属する有愛(ありあ)きい(享年25)が自死を遂げたのは、9月30日のことだ。その直後から劇団の迷走は始まる。
「劇団が宝塚署からの連絡で自殺という確固たる情報を得たのは午後2時過ぎ。にもかかわらず、生徒たちに情報を伏せ(有愛を)『休演者』として発表し、同日3時半に開幕する公演を強行した。その日は、阪急交通社の貸切公演。司会として宙組の元組長である寿つかさを東京から呼んでいました。有愛さんが亡くなったことを生徒たちに告げたのは公演後。複数の生徒が倒れるほどショックを受けていました」(宝塚関係者)
劇団の木場健之(こばけんし)理事長が各組の生徒たちに対し、直接説明を行ったのは、それから約1週間後のことだ。その日、木場氏と共に姿を現した真加部隼(まかべじゅん)プロデューサーが黙祷を促すと、稽古場は静まり返る。静寂の中に嗚咽が漏れた。
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source : 週刊文春 2023年11月2日号