戦争の最初の犠牲者は真実である。戦争になると、この言葉が甦ります。今回この言葉が思い出されたのは、パレスチナ自治区のガザの病院で「爆発」が起きた件をめぐってです。10月17日、ガザのアル・アハリ病院で大きな「爆発」が起き、病院の駐車場に避難していた多数の住民が犠牲になりました。ガザの保健省は「イスラエル軍の爆撃で471人が死亡した」と発表。それまで国際社会は、イスラム武装勢力ハマスによって多数の国民が殺害されたイスラエルに同情的でしたが、この事件をきっかけに「イスラエルの無差別爆撃で大勢のガザ市民が亡くなっている」とイスラエルを非難するようになりました。まさに戦争の流れを変える事件でした。
このニュースについて、日本のメディアの多くは「ガザの病院で爆発が起きた」と伝えました。気が付きましたか? 「病院が爆撃を受けた」とは表現しなかったのです。
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source : 週刊文春 2023年11月9日号