当時、俺は本当にそのまま捜査が中止になるとは、まだ思っていなかった。他の捜査員も同様で、捜査の再開を見込んで11月にはX子の働いていた池袋のキャバレーの元従業員の聴取も行っている。
俺自身にも「国会が終われば捜査が始まるかな」という思いがあったが、結果的に翌年の5月に告げられたのは、「一切もう何もやるな」という指示だった。
だが、この4年後、後に露木長官が言った「事件性がない」という言葉に触発され、俺は実名を出して「週刊文春」に告発することになった。
これまで書いてきた通り、この事件に「事件性がない」という判断はあり得ない。繰り返すが2006年4月11日、検察官は大塚署に鑑定処分許可状と立件票を交付しており、以後、事件は検察官の認知事件になっているからだ。検察官が立件票を交付して本件に関わるということは、実質的に捜査が検察の指揮下に入るということだ。
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source : 週刊文春 電子版オリジナル