痴漢する男は制御不可能な脳由来の症状だから社会が保障すべき――『新潮45』にそんな論文を書いた男は、安倍首相が絶賛する“保守論客”だった。首相との親密な関係から新潮への反論、杉田水脈氏の近況、そして副業の実態まで、渦中の小川氏を直撃すると……。
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「私の文章の責任を、新潮社が取る必要はありません。社会的な糾弾に値するなら、私を糾弾すればいい。社長が公表した論評も非常識なものです。そもそも文学とは人を傷つけるかもしれないし、自分も傷つくかもしれない、そういう瀬戸際でやるものなんだからさ」
東京・丸の内のホテルラウンジ。小誌記者にそうぶちまけたのは、文芸評論家の小川榮太郎氏(51)だ。取材は当初の予定を大幅に超える150分間にわたり、その間、小川氏は思いの丈を滔々と語った――。
生粋の“安倍応援団”として知られる人物
『新潮45』10月号(9月18日発売)に寄稿した論文が波紋を呼んでいる小川氏。同誌では、8月号で杉田水脈(みお)衆院議員が「LGBTは生産性がない」と断じた論文が批判を浴びたことを受け、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という特集を掲載。小川氏は「政治は『生きづらさ』という主観を救えない」と題し、こう持論を展開した。
〈痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深かろう。再犯を重ねるのはそれが制御不可能な脳由来の症状だという事を意味する。彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか〉
これが「痴漢を擁護している」として大炎上。発売から3日後、佐藤隆信社長は〈あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました〉と異例の声明を出したが、批判は止まず、9月25日に休刊が発表された。
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source : 週刊文春 2018年10月11日号