多様性の時代と言われるが、人間には多様なものを平等に受け入れる度量がないと思う。

 だれにも食べ物の好き嫌いはあるし(「好き嫌いがない」と豪語する人はわたしの妻の料理を食べてみるがよい)、異性の好き嫌いもある。たぶんこれは本能的なもので、動物にも食べ物や異性に対してはっきりした好き嫌いがある。

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source : 週刊文春 2023年12月21日号