ヘアアイロン事件の“隠蔽会議”を提案した宝塚特別顧問。紫綬褒章も受けた名演出家には「裏の顔」がある。若手演出助手は温泉に誘われ、「ど〜せ勃ちの悪いオヤジ…」という強烈なセクハラメールも。劇団員は彼をこう呼んだ。「宝塚のジャニーさん」――。

「昭和の終わりに演出家になった私の言葉は、今では言い過ぎに感じられるだろうことも考え、近年は気を付けております」

 小誌編集部にそんな回答が寄せられたのは、12月16日夜8時半のこと。メッセージの主は宝塚歌劇団に君臨する“帝王”だ。小誌はその人物に、8つの質問とともに取材依頼のメールを送っていた。

 演出家という圧倒的上位の地位を利用してきたのではないか? という質問に対しては、

「私は、商業演劇の演出家であり、スターシステムのもとで仕事しています。なので、圧倒的上位に立っているとは思いません。演出家として言うべきことは言おうと思っていますが、それほどの強い権力を持っているとも思いません」

 そう否定してみせた。そして再び、「昭和」という言葉を繰り返す回答が続いたのだった――。

 12月19日、宙(そら)組劇団員の有愛(ありあ)きい(享年25)の遺族側弁護人と劇団は2回目の面談交渉を行った。その前日、宝塚歌劇団は先月公表した「イジメ・パワハラ確認できず」とした調査報告書のホームページ公開を取り止め、再調査を行う方針を示した。

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source : 週刊文春 2023年12月28日号