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地面師14人「闇の履歴書」と“黒い警官”

「週刊文春」編集部
ニュース 社会 経済

 有名住宅メーカーから55億円を騙し取った地面師グループ。総勢14人の詐欺師たちは、巧みに舞台装置を整え、役割を分担し、捜査当局とも太いパイプを持つという。彼らのワルの履歴を解き明かし、キーマンが事前に高飛びできた理由も徹底取材で抉り出す。

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「不動産売買をネタに多額のカネを騙し取る『地面師』は役割分担を決め、チームで動くのが常道です。地面師事件の捜査は、メンバー全員を一網打尽に逮捕しなければ、各々が『良かれと思って紹介した。自分も騙された』と“善意の第三者”を装うので、公判維持が難しい。今回はキーマン2人の逃亡を許しており、重要なピースが欠けたまま捜査が進んでいる状況です。明らかな失態と言わざるを得ません」(社会部記者)

 10月16日、警視庁捜査二課は偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の疑いで地面師グループの男女8人を逮捕した。しかし、その逮捕劇は誤算続きだった――。

 JR五反田駅から徒歩5分の目黒川沿いに、鬱蒼とした木々に覆われ、廃屋と化した古びた旅館がある。この老舗旅館「海喜館」の敷地600坪が、一攫千金を狙う地面師グループの標的になったのは昨年3月のことだった。

「海喜館は戦前から営業していましたが、2代目夫婦には子供がいなかった。養女となったEさんが後を継いだものの、約10年前に廃業に追い込まれています。その後は、彼女が一人で住んでいました。都心の好立地だけに100億円の価値が見込め、不動産業者にとっては垂涎の的でしたが、所有者であるEさんは『絶対に誰にも売らない』と頑なでした。状況が一変したのはEさんが昨年3月に熱海の療養所に移り、6月に72歳で亡くなるまでの“空白期間”のことでした」(事情を知る不動産業者)

新宿の“ニンベン屋のS”

 地面師グループは周到なシナリオを描き、Eさんになりすました女性を仕込んで偽造書類を揃えた。そして、わずか3カ月の間に、好条件での土地取引に飛び付いた積水ハウスから55億円のカネを騙し取った。

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source : 週刊文春 2018年11月1日号

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