ヨーロッパ社会史の名著に『チーズとうじ虫』(カルロ・ギンズブルグ著)という本がある。16世紀イタリアで異端審問にかけられた一人の粉挽き屋が語る非キリスト教的な世界観を古文書から復元した研究書だ。その粉挽き屋は、世界は「牛乳のなかからチーズの塊ができ」るようにして生まれ、「そこからうじ虫があらわれてくるように」天使が誕生するなどと語り、そのために異端者と認定され、火刑に処されてしまう。しかし、荒唐無稽なようでいて、そこには記録には残らない当時の庶民の宇宙観や自然観が反映されていた。
2カ月99円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
-
月額プラン
99円/最初の2カ月
3カ月目から通常価格2,200円
期間限定
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2024年2月15日号