さて、供述には最初よりも応じるようになったKだったが、「監禁」についてはそれでも認めようとしなかった。

 俺はどうやってKを落とそうか、と考えた。Kの主張は「女たちは自由に部屋から出られた」「だから、俺は監禁していない」というものだ。

 実際にKは監禁した女を外に連れ出して、一緒に買い物をしたりもしている。逃げ出そうと思えば逃げ出すチャンスはあったわけで、この主張には事実としてはそういう一面もあるのも確かだった。そこを崩す何かが必要だった。

 だが、脅迫などを駆使して精神的に支配し、離れられないようにしたことは間違いない。それをKは「放し飼いの家畜」などと言っているが、そんな主張を通すわけにはいかない。

 そこで俺が取調べの目標にしたのが、Kに「自分は女がいなければ生きられない依存症なんだ」と語らせることだった。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル