♪梅は咲いたか、桜はまだかいな
早いもので、もうそんな季節になってきましたね。
そういえば先日、滋賀県の長浜に「盆梅展」を見に行きました。盆梅というのは梅の盆栽のことで、この長浜の盆梅展は昭和27年から続いているそうで、私は以前にも行ったことがあったんです。
明治時代に迎賓館だった建物の広い座敷に鉢植えの梅が並び、梅のかぐわしい香りが漂ってきて……今年も愉しませていただきました。
やっぱり私は桜よりも梅の方が好きですね。なんか賢そうですやん、梅の方が(笑)。
桜って、咲くときは葉もなくて、花もみんな下向きに咲くでしょ。
何となく「さぁ、咲き誇る私を見なさい!」という“圧”が強くて、ちょっと疲れるんですよね。
それに比べると梅の方は枝にポンポンと咲いて、いかにも可憐で、惹かれるものがありますよね。
さて今週のご相談は……えっ、この話のオチですか? ありませんよ、そんなもの。
東京の噺家さんじゃあるまいし、そう毎週毎週、ウメぇマクラを期待されても困ります――。
Q
20代の会社員です。先日映画「浅草キッド」を見て、若き日のたけしさんと師匠の深見千三郎さんとの師弟関係にシビれました。以来、師匠という存在に憧れています。ただ周りを見渡しても、会社の先輩たちは、あくまでも“一緒に仕事をしているおじさん”でしかなくて、公私ともに人生の師匠と呼べるような人はいません。どうしたらそういう人に出会えるでしょうか?(25歳・男性 千葉県)
最近はちょっとキビしく言おうものなら、すぐに「パワハラだ」と騒がれる世の中になりましたから、私らの時代の師匠と弟子の関係なんて、今なら完全に“アウト”です。
でも考えてみれば、弟子をとるというのは、その若者の人生を引き受けることですからね。師匠だって生半可な気持ちでは務まりません。
かくいう私の師匠は「海原お浜・小浜」です。
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source : 週刊文春 2024年4月4日号