「1日に必要な栄養素が摂れる」、「免疫力を上げる」といった健康効果を謳うサプリは巷にあふれかえっている。しかし、手軽だからこその落とし穴もある。識者にその功罪を聞いた。
サプリをはじめとした健康食品の市場規模は、国内で約9000億円と言われる。
「厚生労働省の『国民生活基礎調査』(2019)によれば、サプリのような健康食品を摂取している人の割合を年代別に見ると、男性では60代が28.1%で最多。女性では50代が37.6%で最多でした」(厚労省担当記者)
シニアの女性は利用率が高めで、60代で35.1%、70代でも31.7%と軒並み3割を超す。
『病気になるサプリ 危険な健康食品』の著書がある元法政大学生命科学部教授で東京大学非常勤講師の左巻健男氏が、その健康効果に疑義を呈する。
「サプリメントは医薬品ではなく、食品に分類されます。医薬品は時間をかけた治験を繰り返し、厳しい審査や基準がありますが、食品は医薬品以外の飲食物です。医薬品は、服用する量が厳密に定められていますが、健康食品には摂取量についての決まりもない。実際、サプリの栄養成分を過剰に摂取した場合、人体へ悪影響が出たとする報告もたくさんあるのです」
そこで、医師や栄養の専門家に、飲み過ぎた場合に人体へ影響が起こりえる成分などを取材した。
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source : 週刊文春 2024年4月11日号