今年3月、異例の行政指導を受けたLINEヤフー。「週刊文春」の総力取材で発覚したのは、総務省や個人情報保護委員会が指摘した以上に、より重大なリスクを孕む実態でした。2万件以上もの情報を漏洩したLINEの“中国リスク”と“韓国隠し”、公正取引委員会が“警告”を行ったヤフーニュースの実態、そして親会社であるソフトバンクのトップが明かした本音とは。巨弾レポートを一挙に紹介します。
総務省がLYに対し、NAVERとの資本関係の見直しを迫る異例の行政指導を行ったのは、今年3月5日のことだった。
LYでは、昨年11月以降、LINEの利用者や取引先、従業員の個人情報など計約52万件分の漏洩が判明。原因は、同社がNAVERの100%子会社「NAVERクラウド」にインフラ業務を委託しており、更にその再委託先企業の従業員が所持するパソコンがマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染したことだ。LYとNAVERは、システムに接続する際の認証基盤を共通化していたため、LINE利用者にも被害が拡大した。
今週号の「週刊文春」が計8Pにわたり報じた「LINEヤフーの暗部 日本人9000万人の個人情報が中国、韓国に…」と題する記事。元執行役員や総務省の局長ら、内部事情を知る関係者たちの証言をもとに巨大IT企業の“暗部”を報じた記事は大きな反響を呼びました。
取材キャップを務めた菊地記者が驚いた、LINEの危険性に関する“ある証言”とは――。総力取材の舞台裏を解説します。
今週号について、同じ業界の友人から、「あれ、大丈夫なの?」と聞かれることがありました。今週号の右トップ、巨弾キャンペーンと銘打って始めた「LINEヤフーの暗部」のことです。第1回は、「日本人9千万人の個人情報が中国、韓国に…」というサブタイトルを付けました。図解や年表も駆使し、8ページにわたる渾身の特集記事になりましたので、ぜひご高覧ください。
ヤフーニュースの正体 公取委が「日本から良質なニュースが消える」《日韓総力取材・巨弾キャンペーン第2弾》
LINEヤフーの暗部を追った先週号。第2弾ではヤフー側の事業の中核を担うヤフーニュースの実態に迫る。「市場の番人」公正取引委員会が行った「警告」とヤフトピ、ヤフコメ他ニュース編集部が抱える数々の問題点とは?
「菊地さん、LINEヤフーどうですか?」
そう編集長にご提案頂いたのが、3週間におよぶ長期戦の始まりでした。もともと日経新聞にいたこともあり(実はほぼ社会部でしたが)、有難いことに最後、お声がけいただけたようです。文春といえば政治や芸能のイメージが強いと思いますが、実は最近、経済ネタにもかなり力を入れています。
ソフトバンク社長・宮川潤一が明かす“孫正義の本音、韓国側の抵抗”《日韓総力取材・巨弾キャンペーン第3弾》どうなるLINEヤフー
まだ肌寒さが残る4月7日の夜8時。運転手付きの高級ミニバンで都内の自宅に帰ってきたのは、携帯キャリア大手、ソフトバンク(SB)の宮川潤一社長(58)だ。その6日前、401人の新入社員を前に笑顔で祝辞を贈っていたトップは、一方で“子会社”が抱える難題にも向き合っていた。
総務省は今回、LINEヤフーに対し、実質的な親会社であるNAVERとの資本関係の見直しを迫る異例の行政指導を行った。更に同省は、もう一方の親会社であるソフトバンクの宮川潤一社長(58)に対しても、口頭でLINEヤフーへの資本的関与を強めるよう要請している。
果たして、ソフトバンクは総務省の要請にどう対応するのか。ソフトバンクグループの総帥、孫正義会長兼社長(66)の本音はどこにあるのか。4月7日夜、渦中の宮川氏を直撃したところ――。
source : 週刊文春