この間、初めて「海遊館」(大阪にある世界最大級の水族館。1990年開業)に行ってきました。「いつかは行こう」と思いながら、30年経ってしまいました。施設はちょっとレトロになってましたが、ジンベエザメちゃんは最高でしたね!
何を隠そう、この「海遊館」の“名付け親”は私なんです。というのは開業前に、この水族館の名前を公募したんですね。私は、いくつかの候補の中から、どれにするかを選ぶ審査委員を仰せつかったんです。
私以外の審査委員は、みんな立派な肩書の男性ばかり。多数決をとると、「マリン〜」とか「アクア〜」という横文字が優勢だったんですが、私にはどうもピンとこなくて。よく見ると、その中に埋もれるように「海遊館」があって、直感で「これや!」と思いましたね。「海で、遊ぶ、館」って、漢字からすぐイメージが浮かぶのが、いいですよね。
で、私が「海遊館にしませんか」と言ったら、他の審査委員のおっさんはみんな白目になりましたね(笑)。「この女は何を言ってるんだ」と。すると、やはり審査委員をされていた『日本沈没』で有名な作家の小松左京先生が「恵美ちゃん、それいいね」と言ってくださったんです。小松先生とは、家がご近所だったんで、親しくさせていただいてたんです。
この小松先生の一声で白目剥いてたおっさんどもは全員、クルッと黒目に戻って、「私もいいと思ってました」とか言い出して、急転直下「海遊館」に決まったんです。
みんな目玉が“沈没”してましたね。
Q
自分は音痴です。音痴にもいろいろあります。カラオケでも決して上手いわけではないけど、本人が楽しそうなので、場が盛り上がるタイプの音痴もいますが、自分の場合は、場が盛り上がらないタイプの音痴です。「1曲ぐらい歌えよ」と言われて意を決してマイクを握っても、ボソボソ歌っているうちに“メロディー迷子”になり、場の空気がどんどん冷えていくのを感じて、心が折れてしまいます。上沼さんのような素晴らしい歌手にお尋ねするのは気が引けるのですが、カラオケの席で「盛り上がらないタイプの音痴」はどう振舞うのがいいのでしょうか。
(40代・男性 愛知県)
これは難しいですね。
あなたの仰る通り、音痴には2種類あります。
陽気な音痴と陰気な音痴です。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2024年5月30日号