この号が出るのは1月半ばだそうですが、今、これを書いている私はようやく松の内が明けたところです。

 遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

 思い出しますねぇ。上沼の家に嫁いできた最初の正月明けに、お義母さんに「恵美子さん、今日は七草がゆの日よ」と言われたものです。七草がゆって私の実家ではあまり食べたことなかったんですが、お義母さんと2人で作りました。「ああ、上沼家では毎年、こうやって七草がゆを食べてたんだ」とちょっと浸っていたんですが、あとで夫に聞いたら、「そんなもの、今まで食べたことないよ」。ずっこけました。

 それにしても……七草がゆって盛り上がりませんよね?

Q

 今年の夏に、山形にある夫の実家に帰省したときのことです。義理の両親や、そのときにそろった親族一同でお墓の掃除に行きました。夫の実家は代々続く地元の名家で、田んぼの中に立派なお墓が鎮座しております。みんなでそのお墓の掃除をしている最中、義妹(夫の弟のお嫁さん)に「〇〇さん(私の名前)、将来、このお墓にはいるの?」と言われました。「えー、先のことはわかんないよ」とごまかしましたが、動揺してしまいました。死んだ後でどうなろうと関係ないかなとも思うのですが、やっぱり「あのお墓に私が入ることもありうるの?」と考えるとちょっと息が詰まる気がします。どう考えればすっきり生きられるのか、上沼さんのお知恵をお借りしたいです。

(38歳・女性 東京都)

 私も新婚のころ、主人の実家がある長野に挨拶に行ったことがあります。大きな家で、鶏が庭をあちこち歩き回り、軒下には干し柿がたくさんぶら下がっていました。季節はちょうど秋だったので、向こうに見える山の樹々は燃えるように真っ赤に染まっていました。

 私は淡路島で育ちましたので、秋の山景色に鮮烈な印象を受けたことを覚えています。

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source : 週刊文春 2025年1月23日号