2月20日、戦後俳句を代表する俳人の金子兜太(とうた)氏が急性呼吸促迫症候群で亡くなった。享年98。人生100年時代の先駆者とも言うべき、その人生は多くの人々の心を惹きつけた。
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長年、選者を務めた朝日新聞文化くらし報道部記者で「朝日俳壇」担当の小川雪さんが語る。
「一昨年に開かれた金子さんが出演する俳句イベントは、応募者数が定員を大きく超えて抽選となるほど。伊藤園の新俳句大賞の授賞式では、金子さんが退場する際には、少しでも金子さんに近づきたい来場者で人だかりに。タレントさんのような人気でした」
金子氏は、埼玉県で医師の息子として生まれ、1943年に東京帝國大経済学部を卒業。日本銀行に入行するも、海軍主計中尉としてトラック島に赴任し、飢餓や捕虜生活を経験した。
日銀復帰後は、敗戦を経てもなお保守的な会社に反発し、組合活動に没頭。しかし、そのために福島、神戸、長崎などの支店に回され、本人曰く「冷や飯を食わされる」ことになった。
日銀に勤務しながら、1956年に現代俳句協会賞を受賞。62年にのちに主宰をつとめる俳誌「海程」を創刊する。
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source : 週刊文春 2018年3月8日号