タイにあるメークロン鉄道市場をご存じだろうか。テレビ番組の海外ロケなどでたびたび採り上げられてきた、世界的に有名な“びっくりスポット”だ。普段は雑踏で賑わう活気ある市場なのだが、実はそこは線路の上に勝手に作られたもの。電車が通る定刻になると、商人たちは素早くテントや商品棚を仕舞い込み、客たちもサーッと道の真ん中を空けて、そこを電車が通り抜ける。で、電車が過ぎ去ると、再び人々が戻ってきて市場が再開される。見ているほうがハラハラするが、商機を逃さぬ人々の(たくま)しさに触れられるタイの名物観光地となっているそうだ。

 そうした図太くも逞しいエネルギーは、我が室町人にも共通する。たとえば、鎌倉〜室町時代の京都には、「巷所(ごうしよ)」と呼ばれる、公道を不法占拠した土地があちこちに見られた。そこでは、庶民たちによって旧平安京の公道が勝手に耕され、稲や麦、()(ぐさ)などの栽培に充てられていた。

初回登録は初月300円でこの続きが読めます(月額プラン)。
年額プランはキャンペーン中!

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

    6月26日~7月9日10:00まで
    期間にご購読いただくと抽選で
    20名様にAmazonギフトコード3,000円分をプレゼント!

    期間限定

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 1

source : 週刊文春 2024年6月27日号